美琴ちゃん、大丈夫?
純さんが頭を撫でる歩さんの手を恥ずかしそうにどける。
「近くの会場で歩のバンドやってるの思い出したんだよ。すぐきてくれて助かった。」

「美琴ちゃんフルーツ好きだったよね〜」

「はい!嬉しいです。」

「…おい、無視か?」

「あーそれにしても、」


歩さんが純さんにフルーツのカゴをドサっと渡して私の手を両手でそっと握った。


「昔は昔で可愛かったけどすっごくキレイになったね。今、美琴ちゃんの体に俺の血が流れてるんだ…なんか興奮するね…?」


「おいやめろ変態!」


すかさず純さんがフルーツを置いてその手を離させる。


「こんな泣き虫のおっさんやめてやっぱり俺にしない?稼ぎなら負けないよ?」

「はい、お忙しい中本当にありがとうございました!お出口あちらです!お足元お気をつけて!!」

「やだよ、まだ来たばっかじゃん!」


…2人で押し合ってやんやしてる。

仲良しだなぁ。


「せっかく取材のアポ、ブッチしてきたんだからもう少しいさせてよ。それにさっきの話も気になるし。」


歩さんが純さんの顔を押しのけながら椅子に座った。


「あ、私も気になります。さっきのパラ…?なんとかってやつ。」



それから私は体験した思いつく限りのことを話し始めた。


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