美琴ちゃん、大丈夫?
純さんの切なそうな、尊いものを見るような目に胸を掴まれる。



「この3日間、美琴ちゃんがいない人生を何度も想像した。

…不思議なことにさ。

いない人生を想像してるはずなのに生活の至る所に美琴ちゃんが出てきて、
かわいいなぁって、面白いなぁってことして笑わせてくるんだ。

でも、当たり前だけどそこに美琴ちゃんはいなくて…

病室で眠ったままもう目を覚まさないかもしれない、
もう会えないかもしれないんだから、
現実を見ろ、強くなれって何度も自分に言い聞かせた。

…その度、バカみたいに泣いて、どうして俺は生きてるんだろうって、苦しくなった。


今、美琴ちゃんが目の前にいて、俺の目を見てくれてる。
ご飯いっぱい食べて、
笑ったり、怒ったりしてる。

それだけで俺、こんなに幸せなんだって。

改めて気付かされた。


いつまで人生が続くかなんて分からないけど

今、美琴ちゃんのそばにいたい。

これからもずっと、たくさんの時間を一緒に過ごしたい。

悲しい時も、嬉しい時も、どんな時も全部そばにいたい。

だから…」








ポケットの中から取り出した手には、小さなスエード生地の箱。


純さんが、丁寧に箱を開いた。






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