【書籍化&コミカライズ】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています(離婚予定の結婚なのに〜)
会長のいいなりである彼女を振り切ろうとした瞬間。飛んできたのはそんな予想外な言葉たち。
強い輝きを携えたブラウンの淡い瞳。震えそうな身体を抑え込む拳。
彼女の中にある、ありったけの思いがダイレクトに伝わってきた。
たった一度だけ医務室に連れて行った俺のことを、彼女は忘れもせずにずっと覚えていたということ……だろう?
確かに俺もあの出来事は覚えているし、彼女を評価していたが、優しくした覚えもなければ、特別扱いしたこともない。
信じられなかった。
忙しいと理由づけてその場を去れば、いつものように丸く事は収まるはずなのに。
心が。身体が。どうしてなのか、その場から離れることができなかった……。
それどころか――。
『ゼネラル、マネージャー……?』
『私に判断を委ねるんでしょう? なら私は、この件の決定権を國井さんに譲ります』