【書籍化&コミカライズ】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています(離婚予定の結婚なのに〜)
気づいたときには、彼女の小さな手を引き止め、自分でも信じられないことを提案していた。
嫌われることには慣れているが。傷つけるのは本意ではない。
だから、見合い以前の問題として。俺のような無愛想で言葉足らずの人間は、
國井桜みたいないかにも素直で傷つきやすそうな人間に、近づくべきではないと自負している。
だけど、駆け引きなどなしに、真っ向からぶつかってくる國井桜に。
この“忠告”を経てどう答えを出すのか興味を惹かれる自分に。打ち勝つことができなかった……。
『――あなたを手籠めにしようと目論んでるような、とっても悪い奴かもしれないですからね――』
俺はとんでもない男だな――……。
なんて夜道を運転しながら記憶を巡らせていた、そのとき――
「――良かったな、島田。相手はお前との見合いを引き受けてくれたぞ」
後部座席でスマートフォンを操作していた会長が満足そうに頬を緩めた。