【書籍化&コミカライズ】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています(離婚予定の結婚なのに〜)

「――ここのシェフの料理はとてもうまくてね。漆鷲家(うち)にもよく出張に来てもらうんだ」

「自宅に、ですか」

さ、さすが、会長は格が違う……。

「あぁ、少し前に永斗たちと島田をうちに呼んだときもここのシェフだったかのぉ?」

会長がそれとなく反対側の島田さんに話を振る。

来美(くるみ)さんが妊娠される前なので随分と前ですが……、そうですね。今回もとても絶品です」

来美さん……とは確か先月お子様が産まれたばかりの永斗さんの奥様の名前だっけ。

「國井さんの口にも合うといいんだがなぁ」

「ふふ、とても美味しいです。ありがとうございます」

会長は終始気遣うように両者に会話を投げ、笑いを交えながらうまく話を引き出していく。本当にさすがだ。

もちろんニコニコしてるのは私と会長だけで、綺麗な所作で食事をするポーカーフェイスは何を考えているのか、ちっとも読めない。けれど、私は念願の時間を過ごせただけで大満足だ。
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