【書籍化&コミカライズ】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています(離婚予定の結婚なのに〜)
藤森さんが……なに? 見極める……?
いつもよりどこか穏やかな声。
もしかして、心配してくれてるんだろうか……。
今にもくっつきそうな瞼を開いて、頑張って聞き分けようと整った顔を下から見つめていると。
『――まぁ……仕事熱心なのは、評価しますが』
柔らかな面差しが私をとらえて、薄い唇が緩やかに口角を上げる。
その瞬間、意識の朦朧とする私の脳内に、あたたかな春の風が舞い込んだ。
あぁ、なんて温かく笑う人なんだろう……
そう――。
私は一瞬にして、その優しい表情に恋に落ちたのだった。