【書籍化&コミカライズ】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています(離婚予定の結婚なのに〜)
そこで、はじめの数年を、藤森といがみ合いながら会長秘書をこなし、その後は永斗さんの役員就任と同時にこちらへ配属され、現在の職位にある。
冷静沈着を装う“秘書の私”。
無愛想で性悪といわれる“普段の俺”。
日頃から面倒ことを嫌う俺は、あまり感情をあらわにしないたちだが。業務とプライベートでの切り替えは、いつ頃から身についたのだろう。気づけば会長や永斗さんから指摘されるようになっていた。
まぁ……、アンドロイドだの悪魔だの、反感を持つ周囲が少し厄介ではあるが、仕事じたいは天職だと思っている。
なにはともあれ、そんなこんなで一年前までは全てが順調だったんだがな―…。
「――あら、島田」
そんな頭で秘書室へ移動するさなか。
多数の部門の混在する漆鷲グループ企業内では、部門外の社員は俺を名前で呼ぶのだが――廊下の端から俺を呼び止めたのは、なんと本社にいるはず英子室長だった。