「団長、軟派はダメですよ。この方は私たちを助けてくれたんですから。もしかしたら、団長より強いかもしれないですよ」
 食事の準備をしていた女性の声が降ってくる。お姉さんに対する助け舟なのか、ただの嫉妬なのかはよくわからない。

「お姉さん、何かしたんですか?」
 と少年はお姉さんに小声で尋ねた。

「あの馬車が脱輪して困っていたからな、それを助けてあげただけだ」

 男が四人もいたのにそれを解決することができなくて、ただ一人の女性が加わっただけで解決することができたのなら、あの女性が言った言葉の意味がわからないでもないが。

 だがお姉さんのおかげで楽に今日の夕飯と寝床にありつけたのは言うまでもない。
「おい、坊主」偉そうな人は少年をそう呼んだ。
「お前の姉ちゃんは、美人さんだな。けれど兄弟という割には似ていないが」

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