「偉いなぁ」と団長は鼻をすすった。全てが作り話なだけに、少年は申し訳ない気持ちになった。団員のお姉さんたちも、目尻に涙を溜めている。

「すいません」
 少年は謝った。

「いやいや、坊主。俺たちがお前さんたちの身内話を聞きたいっていったから、お前の姉ちゃんは話しただけだ。こんな、泣ける話だとは思わなかった」

 本当にすいません、と少年は心の中で謝った。

「おい眞子、神楽。この逞しい姉弟たちに、一つ踊りを見せてやれ」

 眞子という女性は、先ほど助け舟を出したお姉さんだ。この踊り担当のリーダーらしい。
「お安い御用よ」と眞子は言う。

 神楽という女性は控えめに立ち上がった。もしかしたら少年と同い年、なのかもしれない。この一団の中で一番幼いように見えた。

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