二人で踊るのかと思ったのだが、神楽は歌い手のようだ。胸の前で静に手を組んだ。綺麗で透き通る声が響いた。それに合わせて、眞子がシャンシャンと踊る。今まで一度も目にしたことのない、踊りだった。それよりも神楽の歌が心に響く。今まで一度も耳にしたことのない、歌と声だった。

 二人が頭を下げたとき少年は拍手をした。金色のお姉さんも満足そうに、拍手を送っていた。この人でも他人を誉めることはあるんだな、と彼は思った。根拠はないが、なんとなくそう思った。
 少年はぽぅっと神楽という女性を眺めていた。お姉さんはそれに気付き、彼の頭をコンと小突いた。我に返る。

「すごい」と感嘆の声を漏らすと、眞子は満足気に微笑んだ。それに引き換え、神楽は無表情だった。

「だって、私たちはこれで生活しているんですもの。すごくて当たり前よ」
 眞子は胸を張り、言う。

 それだけの自信がなければ、他人からお金を頂くという行為もできないだろう。
「あなたには無理でしょうね」

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