とりあえず神楽の後をついていくことにした。彼女の家、のようだ。家の人は一団を温かく迎え入れてくれた。残念ながら食べ物はあまりないらしい。そんなこと、この村の状況を見れば一目でわかる。

「すまないねぇ、みなさん。せっかくこの村に来てくれたというのに。私たちには楽しむ余裕がないのです。最近、日照り続きで。今日、生きていくので精一杯なのです」
 彼女の母親は頭を下げた。そこには沈黙が残った。それは十分長かった。

「長居することはやめよう」
 団長が沈黙を破った。
「本来なら、神楽の歌を聴いてもらいたかったんだが」

「私、村長さんのところに行ってきます」

「神楽」
 と母親が娘の名を呼ぶ。

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