「そんなことないと言うのなら、雨乞いの歌を歌ってみるがいい」
 村長は言う。 

「雨乞いの歌。そんなものがあるんですか」
 少年は尋ねた。

「えぇ」
 神楽は頷く。
「歌うことができるのなら。雨乞いの唄を歌わせていただきます」

「そうか」
 村長は満足そうに頷く。そして。
「それでは、儀式を行うとしよう。こうも早く生贄が決まるとは思わなかった」
 悪玉の親分は、悪玉らしく高らかに笑う。

「生贄?」
 少年は鸚鵡返しに尋ねる。

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