雪山での一夜から始まるような、始まらないようなお話。
ぎりぎり触れてはいないけど、進藤の熱が伝わる距離にいる。
冷たく強ばった身体がブルブル震えた。
「寒いのか? 温めてやろうか?」
「どうやっ……ちょっと!」
言い終わる前に抱きしめられた。
しかも、あぐらの上に横座りで乗せられて、全身を進藤に包まれているみたいだ。
こうすると、可愛い顔をしているくせに進藤との体格差を感じて、ムカムカする。
(あったかい……けど、こんなの落ち着かない!)
もがいて逃れようとしたら、また進藤が笑った。
「あれ? 意識してないんじゃないの?」
「してないわよ!」
余裕そうな進藤に腹が立って、冷たい手をお腹に当ててやった。
「冷てっ」
ビクッと首をすくめた彼をざまーみろと思っていたら、その手を取られて、口をつけられた。
「な、な、なにしてるのよ!」
引っ込めようとするけど、私の手は進藤にしっかり掴まれて、あろうことか指先を彼の舌が這う。
ちらりと私を流し見ると、進藤はにんまりした。
「冷たい手を温めてやろうかと思って」
言うなり、パクリと私の人差し指を口に入れた。
「あ……ぁ、あ……」
衝撃の光景に口をぱくぱくさせた。
進藤の温かい舌はねっとりと私の指を舐めて、冷え固まった指を溶かしていく。
人差し指から中指、薬指。
私の目を見つめながら、いかにも美味しそうに飴玉のように舐められ、ゾクンッと身震いした。
ちゅぽっと音を立て、指を口から抜くと、進藤はさらに顔を寄せてきた。
冷たく強ばった身体がブルブル震えた。
「寒いのか? 温めてやろうか?」
「どうやっ……ちょっと!」
言い終わる前に抱きしめられた。
しかも、あぐらの上に横座りで乗せられて、全身を進藤に包まれているみたいだ。
こうすると、可愛い顔をしているくせに進藤との体格差を感じて、ムカムカする。
(あったかい……けど、こんなの落ち着かない!)
もがいて逃れようとしたら、また進藤が笑った。
「あれ? 意識してないんじゃないの?」
「してないわよ!」
余裕そうな進藤に腹が立って、冷たい手をお腹に当ててやった。
「冷てっ」
ビクッと首をすくめた彼をざまーみろと思っていたら、その手を取られて、口をつけられた。
「な、な、なにしてるのよ!」
引っ込めようとするけど、私の手は進藤にしっかり掴まれて、あろうことか指先を彼の舌が這う。
ちらりと私を流し見ると、進藤はにんまりした。
「冷たい手を温めてやろうかと思って」
言うなり、パクリと私の人差し指を口に入れた。
「あ……ぁ、あ……」
衝撃の光景に口をぱくぱくさせた。
進藤の温かい舌はねっとりと私の指を舐めて、冷え固まった指を溶かしていく。
人差し指から中指、薬指。
私の目を見つめながら、いかにも美味しそうに飴玉のように舐められ、ゾクンッと身震いした。
ちゅぽっと音を立て、指を口から抜くと、進藤はさらに顔を寄せてきた。