雪山での一夜から始まるような、始まらないようなお話。
 くちゅっ

 内腿を撫でていた進藤の手がとうとう私の潤んだところを擦った。
 その頃には、私は全身熱くなって、とろんとしていた。
 進藤にはいろんなところを触られ、唇をつけられた気がする。
 悔しいことに、進藤の愛撫は的確に私の性感帯を暴き、快感を与え、欲望に火をつけた。

(慣れてるんだろうな)

 初めての時はなにがなんだかわからず、ただただ痛かった。だから、こんな蕩ける感覚を味わうのは初めてだった。
 
(この先はどうなるの?)

 そう思った瞬間、彼の指が入ってきた。
 痛かった記憶に、ビクンッと身体を強ばらせてしまう。
 でも、実際は気持ちいいだけで、なだめるようにキスをされて、中をぐちゅぐちゅ擦られた。

「ん、んっ、はぁ、んん〜っ、あああっ……!」

 気持ちいいがどんどん溜まっていき、頭の中で弾けた。

「はぁはぁはぁ……」

 ぐったりと進藤の肩に顔をあずけて、激しい息をつく。
 その私の耳に進藤がささやいた。

「なあ、いいか?」

 視線をあげると、熱い目をして苦しそうな進藤が私を見ていた。
 太腿にはさっきから硬くて熱いものが当たっている。
 私は魅入られたようにうなずいてしまった。
 
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