雪山での一夜から始まるような、始まらないようなお話。
「夏希?」
戸惑った顔で進藤が振り向いた。振り向いてくれた!
ばあっと喜びが広がりかけたけど、進藤はまじまじと私を見るだけだった。喜びがしぼんで、また不安に取って代わる。
「……しんどー。なつき、わるい子だった? やっぱりいらない子?」
「夏希、どうしたんだ?」
進藤が戻ってきてくれて、私の頬を拭った。
さっきまでの怒りは消えて、心配そうに私を見る。
その腕にすがる。震える声で問いかける。
「しんどー、私、いらない?」
「要るよ。要るに決まってる!」
断言され、温かい腕に抱き寄せられて、安堵する。
その背中に手を回し、ギュッとしがみついた。置いていかれないように。
「夏希、お前、本当にどうしたんだ?」
進藤は私を抱き上げ、ソファーに座って、顔を覗き込んできた。
でも、私は尋ねられたことより、この体勢に気を取られた。
戸惑った顔で進藤が振り向いた。振り向いてくれた!
ばあっと喜びが広がりかけたけど、進藤はまじまじと私を見るだけだった。喜びがしぼんで、また不安に取って代わる。
「……しんどー。なつき、わるい子だった? やっぱりいらない子?」
「夏希、どうしたんだ?」
進藤が戻ってきてくれて、私の頬を拭った。
さっきまでの怒りは消えて、心配そうに私を見る。
その腕にすがる。震える声で問いかける。
「しんどー、私、いらない?」
「要るよ。要るに決まってる!」
断言され、温かい腕に抱き寄せられて、安堵する。
その背中に手を回し、ギュッとしがみついた。置いていかれないように。
「夏希、お前、本当にどうしたんだ?」
進藤は私を抱き上げ、ソファーに座って、顔を覗き込んできた。
でも、私は尋ねられたことより、この体勢に気を取られた。