極秘出産でしたが、宿敵御曹司は愛したがりの溺甘旦那様でした
「からかっていない。未亜を脱がせるのも、こんな無防備な姿を見られるのも俺だけなんだろ」

 その通りなのだが、素直に肯定するにはなんとも言えない内容だ。けれど私は衛士の目を見つめ、思いきって自分から口づけた。

「衛士だけだよ。出会ったときからずっと」

 それは彼が告げた内容だけじゃない。こんなに好きになったのも、そばにいてほしいと願うのも、愛されていると感じるのも。

「……衛士は?」

 衛士は切なげに顔を歪める。

「俺も未亜だけだ」

 そのひと言に衛士の想いが詰まっている気がして、胸が熱くなる。言うや否や唇が重ねられ、甘い口づけが始まった。

 温もりを確かめるように上唇と下唇をそれぞれ柔らかく食まれ、音を立て幾度となく吸われる。

「未亜を愛している」

「……うん」

 キスの合間に囁かれるが、私は短く返すしかできない。私の返事を受けてなのか衛士は求めるようにキスは激しくなっていく。

「ふっ」

 ぎこちなく自分の舌も絡めて応じるが、どこまでいってもキスの主導権は衛士にあった。くまなく口内を蹂躙され、唾液の混ざり合う音と火照った吐息が思考力を奪っていく。

 溺れるのが怖くて無意識に衛士の首に腕を回したら、彼は私を抱え直してより密着する体勢になった。

「んっ……んん」

 彼の大きな手のひらが体の至るところに這わされ、背筋がぞくりと震える。熱いのか寒いのかよくわからない。
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