極秘出産でしたが、宿敵御曹司は愛したがりの溺甘旦那様でした
「愛している。必ず幸せにするから」

 真剣に告げると未亜は目を見開いた後、顔をくしゃりと歪める。

「なに? 結婚式の練習?」

 冗談交じりに返してきたものの彼女の声は震えていて、隠れるように俺の胸に顔をうずめる。未亜の頭を撫でながら俺は笑った。

「練習もなにも、何度だって誓うさ。後にも先にもこんな想いを抱くのは未亜だけなんだ」

「……うん、私も。私もずっと衛士を愛してる」

 ちらりとこちらをうかがうようにして顔を上げた未亜と目が合う。続けて彼女は柔らかく微笑んだ。この笑顔は昔から変わらない。

 未亜の頬を撫で、顔を近づける。薄暗い部屋でも未亜の表情ははっきりと見えた。目を閉じた彼女に口づけ、唇の感触と温もりを堪能する。

 その間に、彼女の左手に指を絡め強く握る。すると応えるように指先に力が込められ握り返された。

 挙式で指輪の交換をするため、今は未亜の左手の薬指に結婚指輪ははめられていない。昨晩、ケースにしまって式場に持っていく荷物の中に入れていた。なんとも几帳面な彼女らしい。

 未亜を抱きしめキスを続ける。午前中の挙式なので早めに起きて支度をしないとならないから、未亜も俺を起こしたのだろう。けれど、まだ時間はある。もう少しだけ未亜に触れていたい。

 いつだって俺に幸せを与えてくれるのは、未亜なんだ。

 愛しい彼女との口づけに溺れながら俺は強く未亜を抱きしめた。もう絶対に手放さないと誓って。

Fin.
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