極秘出産でしたが、宿敵御曹司は愛したがりの溺甘旦那様でした
「前にも話したけれど、杉井電産の技術をラグエルは、父は高く買っていた。そのために杉井電産に何度も交渉に向かわせたがずっと断られていて」
それは知っている。今思えば杉井電産にとってもいい話だったかもしれないが、当時の父は絶対に首を縦に振らなかった。
「それで……お父さんに言われて私に接触してきたの?」
「違う」
弱々しく尋ねると即座に否定される。
「父から杉井電産の社長に娘がいるのは聞いていたが、妙な指示はされていない。俺が興味があって未亜に声をかけたんだ」
「興味ってなに? 私を懐柔してラグエルの話に乗るよう父を説得しようとしたの?」
自分でも驚くほど冷たい声だった。途端に抑え込んでいた黒い靄が心の中を覆っていく。
嫌だ。傷つけるのも、傷つくのも。こんなやりとりを望んではいなかったのに。
「正直、そういった下心がなったかと言えば嘘になる」
予想していた通りの答えだ。けれど、彼の口から直接伝えられるとやはり胸が痛む。偶然の出会いだったとしてもずっと不思議だった。
どうして見た目も中身も十分に素敵でそれなりに女性経験もありそうな衛士が、絵にしか興味がないような私に告白してきたのか。
私はなにも言わずきつく唇を噛みしめる。
「でも、未亜と話してふたりで会ううちに惹かれていった。……未亜は俺と似ていて正反対だったから」
そこで私はようやく顔を上げる。目に映る衛士はつらそうで切なそうで、そんな彼は見たくないと思う一方で目が離せない。
それは知っている。今思えば杉井電産にとってもいい話だったかもしれないが、当時の父は絶対に首を縦に振らなかった。
「それで……お父さんに言われて私に接触してきたの?」
「違う」
弱々しく尋ねると即座に否定される。
「父から杉井電産の社長に娘がいるのは聞いていたが、妙な指示はされていない。俺が興味があって未亜に声をかけたんだ」
「興味ってなに? 私を懐柔してラグエルの話に乗るよう父を説得しようとしたの?」
自分でも驚くほど冷たい声だった。途端に抑え込んでいた黒い靄が心の中を覆っていく。
嫌だ。傷つけるのも、傷つくのも。こんなやりとりを望んではいなかったのに。
「正直、そういった下心がなったかと言えば嘘になる」
予想していた通りの答えだ。けれど、彼の口から直接伝えられるとやはり胸が痛む。偶然の出会いだったとしてもずっと不思議だった。
どうして見た目も中身も十分に素敵でそれなりに女性経験もありそうな衛士が、絵にしか興味がないような私に告白してきたのか。
私はなにも言わずきつく唇を噛みしめる。
「でも、未亜と話してふたりで会ううちに惹かれていった。……未亜は俺と似ていて正反対だったから」
そこで私はようやく顔を上げる。目に映る衛士はつらそうで切なそうで、そんな彼は見たくないと思う一方で目が離せない。