転生うさぎ獣人ですが、天敵ライオン王子の溺愛はお断りします!~肉食系王太子にいろんな意味で食べられそうです~
「昔ノーブルで会ったとある人間の男の子がすっごく優しくて……それ以来、もともとあった人間への憧れが強くなったんです」
私が人間への憧れが強いのは、きっと前世の記憶も関係している。動物のうさぎだった私は、毎日お世話をしてくれた飼育員さんに恋をしていたからだ。あのときからずっと、人間との恋愛そのものに憧れがあった。
「じゃあさ、たとえば僕がライオン獣人じゃなくなって、人間になったらどう思う?」
「……は?」
突拍子のないレオン様の返事に、気の抜けた声が漏れた。
「リーズはライオンの僕が怖くて、かつ獣人でなく人間のほうが好きなんだろう? だったらまず、僕は見た目から変えないと、君に好きになってもらうどころか興味を持ってもらうことすら絶望的だ」
「人間にって……言ってる意味がよくわからないんですが」
「想像してみて? 僕からこの立派な耳と尻尾が消えるんだ。それでもまだ、僕が怖い?」
言われたまんまを想像してみる。
悪くない。むしろ結構タイプかも……って、そうじゃない!
「ライオン要素が消えれば怖くはないですけど……獣人は獣人です。べつの種族になれるなんて、聞いたことがありません」
獣人は人間になれない。人間も獣人にはなれない。
「そんなのわからない。探せば方法はあるかもしれないよ」
ライオン獣人は、ノーブル王国の王族である証であり、国の誇りだ。なりたくてなれる存在ではない。
「あったとしても、レオン様がライオンでなくなるなどあってはならないはずです!」
こんな平民以下の一匹のうさぎのために、その誇りを捨てるなど許されないことだ。
「僕がこれからなにをすべきなのか、リーズのおかげではっきりと定まった。少し時間は空くかもしれないけど、また必ず会いに来るから待っててほしい」
私の忠告など気にも留めずに、レオン様は清々しそうな顔をしている。
「ああ、そうと決まれば早めに行動しないと! 僕は王宮に戻るよ! 今日は君の気持ちが聞けてうれしかった。ありがとう」
ひどい本音しかぶつけてなかった気がするが、レオン様は満足げだ。
いそいそと家から出て行くレオン様を、一応お見送りするためベルと共に外へ出る。近くにいた村人たちも、王宮へ帰るレオン様に手を振って挨拶をしていた。丁寧にひとりひとりにきちんと手を振り返し終えると、レオン様は木陰にいたジェイドさんと合流する。
「……やっと終わりましたか。どうせ今日も玉砕したのでしょう? もう村へ行くのはやめる気になりましたか?」
「そんなことよりジェイド! 僕、ライオンをやめることにしたよ!」
「ラ、ライオンをやめる? リーズ嬢、どういう流れでこうなったのですか?」
「えっ? いや、私はただライオンは無理だって言っただけで……」
なぜかライオン獣人でなくなることに前向きなレオン様を見て、私もジェイドさんもうろたえることしかできない。
「早急にこの耳と尻尾をなくす方法を探したいから、ジェイドも手伝ってくれ」
はやる気持ちを抑えきれないのか、レオン様は馬車を停めてある位置まで物凄いスピードで走り出した。
「変なことを考えるのはやめてください! 聞いてるんですか!? 王子!」
ジェイドさんの怒声が響く。しかし、聞く耳を持たない相手にはどんな大声も無意味だ。
レオン様を追いかけるジェイドさん。その姿は、まるで自然を駆けるライオンと虎そのものだった。
「王子のあの姿を見られるのは、もしかしたら今日が最後かもしれないな」
「冗談やめてよ……はは」
ふたりを見送った帰り道、ベルの半分冗談に聞こえない言葉に、私は渇いた笑いを漏らした。
私が人間への憧れが強いのは、きっと前世の記憶も関係している。動物のうさぎだった私は、毎日お世話をしてくれた飼育員さんに恋をしていたからだ。あのときからずっと、人間との恋愛そのものに憧れがあった。
「じゃあさ、たとえば僕がライオン獣人じゃなくなって、人間になったらどう思う?」
「……は?」
突拍子のないレオン様の返事に、気の抜けた声が漏れた。
「リーズはライオンの僕が怖くて、かつ獣人でなく人間のほうが好きなんだろう? だったらまず、僕は見た目から変えないと、君に好きになってもらうどころか興味を持ってもらうことすら絶望的だ」
「人間にって……言ってる意味がよくわからないんですが」
「想像してみて? 僕からこの立派な耳と尻尾が消えるんだ。それでもまだ、僕が怖い?」
言われたまんまを想像してみる。
悪くない。むしろ結構タイプかも……って、そうじゃない!
「ライオン要素が消えれば怖くはないですけど……獣人は獣人です。べつの種族になれるなんて、聞いたことがありません」
獣人は人間になれない。人間も獣人にはなれない。
「そんなのわからない。探せば方法はあるかもしれないよ」
ライオン獣人は、ノーブル王国の王族である証であり、国の誇りだ。なりたくてなれる存在ではない。
「あったとしても、レオン様がライオンでなくなるなどあってはならないはずです!」
こんな平民以下の一匹のうさぎのために、その誇りを捨てるなど許されないことだ。
「僕がこれからなにをすべきなのか、リーズのおかげではっきりと定まった。少し時間は空くかもしれないけど、また必ず会いに来るから待っててほしい」
私の忠告など気にも留めずに、レオン様は清々しそうな顔をしている。
「ああ、そうと決まれば早めに行動しないと! 僕は王宮に戻るよ! 今日は君の気持ちが聞けてうれしかった。ありがとう」
ひどい本音しかぶつけてなかった気がするが、レオン様は満足げだ。
いそいそと家から出て行くレオン様を、一応お見送りするためベルと共に外へ出る。近くにいた村人たちも、王宮へ帰るレオン様に手を振って挨拶をしていた。丁寧にひとりひとりにきちんと手を振り返し終えると、レオン様は木陰にいたジェイドさんと合流する。
「……やっと終わりましたか。どうせ今日も玉砕したのでしょう? もう村へ行くのはやめる気になりましたか?」
「そんなことよりジェイド! 僕、ライオンをやめることにしたよ!」
「ラ、ライオンをやめる? リーズ嬢、どういう流れでこうなったのですか?」
「えっ? いや、私はただライオンは無理だって言っただけで……」
なぜかライオン獣人でなくなることに前向きなレオン様を見て、私もジェイドさんもうろたえることしかできない。
「早急にこの耳と尻尾をなくす方法を探したいから、ジェイドも手伝ってくれ」
はやる気持ちを抑えきれないのか、レオン様は馬車を停めてある位置まで物凄いスピードで走り出した。
「変なことを考えるのはやめてください! 聞いてるんですか!? 王子!」
ジェイドさんの怒声が響く。しかし、聞く耳を持たない相手にはどんな大声も無意味だ。
レオン様を追いかけるジェイドさん。その姿は、まるで自然を駆けるライオンと虎そのものだった。
「王子のあの姿を見られるのは、もしかしたら今日が最後かもしれないな」
「冗談やめてよ……はは」
ふたりを見送った帰り道、ベルの半分冗談に聞こえない言葉に、私は渇いた笑いを漏らした。