転生うさぎ獣人ですが、天敵ライオン王子の溺愛はお断りします!~肉食系王太子にいろんな意味で食べられそうです~
「うさぎのあなた、ちょっといいかしら?」
玄関のドアを開けて数歩ほど歩いたところで、見知らぬ人に声をかけられた。
「え、えっと……?」
戸惑いつつ、目の前に立ちはだかり腕を組んでいる女性を見つめる。……豹の獣人だ。
赤茶色のロングヘアーから、立派な斑点模様の耳が生えている。ゴージャスな紫色のワンピースに高めのヒールを履いて、私を上からこれでもかというくらい睨みつけてきた。
欲見るとその少し後ろには熊の獣人が控えている。豹の女性よりは地味だが、それでも高そうなブラウスにロングスカートを履いていた。
ふたりとも大型肉食動物系の獣人。見た目からしても上流階級の貴族で間違いない。
「申し訳ございません。どちらさまでしょうか……?」
あまりの威圧感に震える足をなんとか踏ん張らせながら、私を睨み続けるふたりに言う。
「失礼。私はアビントン公爵家のナタリーよ。こちらは私の友人のドロシア。伯爵家のご令嬢様よ」
王子の次は公爵令嬢と伯爵令嬢が訪ねてくるなんて、いったい私の身になにが起きているのだろうか。やっぱりこの三日間平和だったのは、嵐の前の静けさだったよう。
「あなたの名前は? 人に聞いたのなら、自分も名乗るのが礼儀でしょう? それとも、こんな辺鄙な村じゃあ礼儀も教えてもらえないんですの?」
嫌味たっぷりに、ナタリーが私を嘲笑う。
「……リーズといいます。申し遅れてすみませんでした」
「リーズねぇ。ふぅん。この村に、うさぎの獣人はあなただけ?」
「はい。今はそうですけど……」
すると、ナタリーの顔色が険しくなった。
「だったらあなたね。レオン様を閉じ込めているのは! この泥棒うさぎ!」
「ど、泥棒うさぎ⁉」
泥棒猫なら聞いたことはあるが、うさぎは初耳だ。というか、レオン様を閉じ込めている? 私が? なんのために⁉
「待ってください! なにか勘違いをされているのでは……」
「言い訳は無用よ! 全部知っているんだから!」
「ま、待ってくださ――」
ナタリーとドロシアはくるりと身体の向きを反転して、そのまま私の家のドアを開けて勝手に中へ入っていった。レオン王子といいこのふたりといい、王都で暮らす人々は不法侵入という言葉を知らないのだろうか。私よりよっぽど礼儀知らずな行為だ。
「きゃああーっ! な、なによこの大きな獣!」
止めに入った私の耳に、キーンとナタリーの金切り声が響く。
どうやら初めて見る魔獣に驚き、腰を抜かしているようだ。さっきまでの威勢はどこへ行ったのか、ふたりは玄関先に立つ私の足にしがみついている。
玄関のドアを開けて数歩ほど歩いたところで、見知らぬ人に声をかけられた。
「え、えっと……?」
戸惑いつつ、目の前に立ちはだかり腕を組んでいる女性を見つめる。……豹の獣人だ。
赤茶色のロングヘアーから、立派な斑点模様の耳が生えている。ゴージャスな紫色のワンピースに高めのヒールを履いて、私を上からこれでもかというくらい睨みつけてきた。
欲見るとその少し後ろには熊の獣人が控えている。豹の女性よりは地味だが、それでも高そうなブラウスにロングスカートを履いていた。
ふたりとも大型肉食動物系の獣人。見た目からしても上流階級の貴族で間違いない。
「申し訳ございません。どちらさまでしょうか……?」
あまりの威圧感に震える足をなんとか踏ん張らせながら、私を睨み続けるふたりに言う。
「失礼。私はアビントン公爵家のナタリーよ。こちらは私の友人のドロシア。伯爵家のご令嬢様よ」
王子の次は公爵令嬢と伯爵令嬢が訪ねてくるなんて、いったい私の身になにが起きているのだろうか。やっぱりこの三日間平和だったのは、嵐の前の静けさだったよう。
「あなたの名前は? 人に聞いたのなら、自分も名乗るのが礼儀でしょう? それとも、こんな辺鄙な村じゃあ礼儀も教えてもらえないんですの?」
嫌味たっぷりに、ナタリーが私を嘲笑う。
「……リーズといいます。申し遅れてすみませんでした」
「リーズねぇ。ふぅん。この村に、うさぎの獣人はあなただけ?」
「はい。今はそうですけど……」
すると、ナタリーの顔色が険しくなった。
「だったらあなたね。レオン様を閉じ込めているのは! この泥棒うさぎ!」
「ど、泥棒うさぎ⁉」
泥棒猫なら聞いたことはあるが、うさぎは初耳だ。というか、レオン様を閉じ込めている? 私が? なんのために⁉
「待ってください! なにか勘違いをされているのでは……」
「言い訳は無用よ! 全部知っているんだから!」
「ま、待ってくださ――」
ナタリーとドロシアはくるりと身体の向きを反転して、そのまま私の家のドアを開けて勝手に中へ入っていった。レオン王子といいこのふたりといい、王都で暮らす人々は不法侵入という言葉を知らないのだろうか。私よりよっぽど礼儀知らずな行為だ。
「きゃああーっ! な、なによこの大きな獣!」
止めに入った私の耳に、キーンとナタリーの金切り声が響く。
どうやら初めて見る魔獣に驚き、腰を抜かしているようだ。さっきまでの威勢はどこへ行ったのか、ふたりは玄関先に立つ私の足にしがみついている。