転生うさぎ獣人ですが、天敵ライオン王子の溺愛はお断りします!~肉食系王太子にいろんな意味で食べられそうです~
「落ち着いてください! 彼はフェンリルのベルオムといいます。人に危害を及ぼすようなことはしませんので……」
「フェ、フェンリルって魔獣よね⁉ 噂で村に魔獣が住んでるっていうのは聞いたことあったけど……なんであなたが一緒に住んでいるのよっ!」
「リーズは俺の家族同然だ。なにか問題あるのか」
「しゃ、しゃべった⁉」
ナタリーとドロシアの声が重なった。
「はっ! わかりましたわナタリー様! このうさぎの小娘が、魔獣と一緒にレオン様を脅して監禁しているんじゃなくて⁉」
「なるほど。そういうことだったのね! で、どこにレオン様を隠しているんですの⁉ 教えないなら、家中を隅から隅まで見させてもらいますわよっ!」
とんちんかんなことを言い出すふたりに、私はくらくらと眩暈がしてきた。
「あの、さっきからおふたりはなんの話をしているのでしょうか? 私がレオン様を監禁しているっていうのは……?」
「そうやってしらばっくれるつもりね! だったらこっちも考えがありますわ。ドロシア、そこにあるもうひとつのドアを開けなさい! きっとそこにレオン様がいるはずですわ!」
「たしかにこの部屋自体に、微かにレオン様のにおいが残っておりますわ!」
ナタリーは寝室を指さして、ドロシアは鼻をスンスンと鳴らし返事をする。
レオン様が最後にここへ来たのは三日前のことだ。その残り香がわかるなんて、熊の嗅覚は恐ろしい。
「ドロシア、さっさと開けなさい!」
「は、はい今すぐに――と言いたいところですが。申し訳ございませんナタリー様。私、足が震えて立てませんの」
「な、なんですって⁉ まったく、これだからひ弱な獣人は……見てなさい。私が自ら、レオン様を救い出してみせますわ」
そう言うナタリーの足も、ベルを前に未だガクガクと震えている。最初から自分で行けばいいのにそうしなかったのは、自身もドロシアと同じように立てなかったからだろう。
「あれ、おかしいですわね……座り込んだとき足をひねったのかしら。全然立てませんわ」
ナタリーは啖呵を切っておきながら、案の定立つことができなかった。強がって言い訳しているが、嘘をついていることは明白だ。
「リーズ、仕方ないからあなたが寝室のドアを開けてきなさい」
「……はあ。わかりました」
結局、意味もわからないまま私が自分で開けさせられる羽目になった。
このままでは埒が明かないので、仕方なく私は寝室のドアを開ける。すると、ふたりは身体を前のめりにして中を覗き込んだ。もちろん、レオン様の姿などない。
「いない⁉ そんな……絶対にここにいると思ったのに! どこに行ってしまわれたの。私のレオン様!」
誰もいないことがわかると、ナタリーは目に見えて落ち込んでいる。〝私のレオン様〟と言っていたが、どういう関係なのだろう。それと、もうひとつ気になることが……。
「あの、レオン様になにかあったのですか?」
すると、ナタリーは涙目のままキッとこちらを睨みつけた。憎悪のこもった眼差しにおもわず息を呑む。初対面のはずなのに、どうしてこんなに敵意を向けられているのかさっぱりわからない。
「フェ、フェンリルって魔獣よね⁉ 噂で村に魔獣が住んでるっていうのは聞いたことあったけど……なんであなたが一緒に住んでいるのよっ!」
「リーズは俺の家族同然だ。なにか問題あるのか」
「しゃ、しゃべった⁉」
ナタリーとドロシアの声が重なった。
「はっ! わかりましたわナタリー様! このうさぎの小娘が、魔獣と一緒にレオン様を脅して監禁しているんじゃなくて⁉」
「なるほど。そういうことだったのね! で、どこにレオン様を隠しているんですの⁉ 教えないなら、家中を隅から隅まで見させてもらいますわよっ!」
とんちんかんなことを言い出すふたりに、私はくらくらと眩暈がしてきた。
「あの、さっきからおふたりはなんの話をしているのでしょうか? 私がレオン様を監禁しているっていうのは……?」
「そうやってしらばっくれるつもりね! だったらこっちも考えがありますわ。ドロシア、そこにあるもうひとつのドアを開けなさい! きっとそこにレオン様がいるはずですわ!」
「たしかにこの部屋自体に、微かにレオン様のにおいが残っておりますわ!」
ナタリーは寝室を指さして、ドロシアは鼻をスンスンと鳴らし返事をする。
レオン様が最後にここへ来たのは三日前のことだ。その残り香がわかるなんて、熊の嗅覚は恐ろしい。
「ドロシア、さっさと開けなさい!」
「は、はい今すぐに――と言いたいところですが。申し訳ございませんナタリー様。私、足が震えて立てませんの」
「な、なんですって⁉ まったく、これだからひ弱な獣人は……見てなさい。私が自ら、レオン様を救い出してみせますわ」
そう言うナタリーの足も、ベルを前に未だガクガクと震えている。最初から自分で行けばいいのにそうしなかったのは、自身もドロシアと同じように立てなかったからだろう。
「あれ、おかしいですわね……座り込んだとき足をひねったのかしら。全然立てませんわ」
ナタリーは啖呵を切っておきながら、案の定立つことができなかった。強がって言い訳しているが、嘘をついていることは明白だ。
「リーズ、仕方ないからあなたが寝室のドアを開けてきなさい」
「……はあ。わかりました」
結局、意味もわからないまま私が自分で開けさせられる羽目になった。
このままでは埒が明かないので、仕方なく私は寝室のドアを開ける。すると、ふたりは身体を前のめりにして中を覗き込んだ。もちろん、レオン様の姿などない。
「いない⁉ そんな……絶対にここにいると思ったのに! どこに行ってしまわれたの。私のレオン様!」
誰もいないことがわかると、ナタリーは目に見えて落ち込んでいる。〝私のレオン様〟と言っていたが、どういう関係なのだろう。それと、もうひとつ気になることが……。
「あの、レオン様になにかあったのですか?」
すると、ナタリーは涙目のままキッとこちらを睨みつけた。憎悪のこもった眼差しにおもわず息を呑む。初対面のはずなのに、どうしてこんなに敵意を向けられているのかさっぱりわからない。