転生うさぎ獣人ですが、天敵ライオン王子の溺愛はお断りします!~肉食系王太子にいろんな意味で食べられそうです~
「お優しいレオン様が婚約者を探すのを機に、一応こんな貧乏くさい村に立ち寄っただけなのに。あなたは優しくされて、自分に気があると勘違いしてしまったのでしょう? 嫌がるレオン様を無理やり村に呼んで、挙句家にまで入れて……なんてはしたない発情うさぎですの!」
「は、発情うさぎってなんですか! 勘違いしているのはナタリー様です! 私はレオン様を無理やり村に呼んでいませんし、はしたないことなど一切していません!」
泥棒の次は発情うさぎときた。言われたい放題されて、私もついカチンときて言い返す。
「あんな高貴なお方を、こんなボロ臭い犬小屋みたいな場所に連れ込んだこと自体がはしたないですわ!」
私がお母さんやベルと一緒に過ごしてきたこの家を、ボロ臭い犬小屋ですって?
「そんな場所に好き好んで自ら足を踏み入れていたのはレオン様です! 言っておきますけど、ナタリー様は大きな勘違いをされていますよ。追いかけまわしていたのは私でなく、レオン様のほうですから!」
紛れもない真実を、はっきりとナタリーに教えてあげた。いきなりやって来て好き勝手ひっかきまわして、冤罪をなすりつけられるなどたまったもんじゃない。同じ大型肉食動物でも、ライオンと違って豹や熊は怖くない。だから私も強気に出られたというわけだ。
「なっ! うさぎごときが、ナタリー様になんて口をきくの! あなたが邪魔をしなければ、ナタリー様がレオン様の婚約者で決定だったのよ!」
ドロシアが横やりを入れてくる。ナタリーが婚約者? そっちの事情は知らないが、私とてふたりの邪魔をしたつもりはない。
「私の家はラファルグ家と昔から交流ある公爵家ですの。レオン様とも、幼いころから交流がありましたわ」
「昔、毛が黒いことで引っ込み思案になっていたレオン様を救ったのも、ナタリー様がおそばで支え続けたからなのですわよ!」
引っ込み思案? あのレオン様が? 想像がつかない。
「……国王様や王妃様からも、レオン様の婚約者は私だと言われていたのに――待てど暮らせど私のもとにレオン様はやってこない。あなたのせいですわ! レオン様がうさぎなんて弱小動物を相手にするなど、冗談甚だしい! 今すぐレオン様を解放なさい!」
……大体把握してきた。レオン様の婚約者はナタリーだと、王都や町ではずっと囁かれていたのだろう。本人もすっかりその気でいたのに、肝心のレオン様はまるでその素振りがない。そんな中失踪され、私の話を耳にした。すべてを私のせいにしたくなる気持ちも、わからなくはない。
「……ナタリー様のお気持ちはお察ししますが、レオン様がどこにいるのかは私も知りません。今はジェイドさんの言う通り、信じて待ってみるのがいちばんなのではないでしょうか」
面倒なことになりそうだから、これ以上ナタリーを刺激するような発言は控えよう。
「偉そうに。これだけは言っておきますわ。仮にレオン様があなたを追いかけまわしているのが事実だとしても、それは結婚前に物珍しいものを見つけて、最後に遊んであげているだけ。……おもちゃのようなものですわ」
立派な牙を見せつけながら、ナタリーは私を蔑むように笑った。
「もう用は済んだろう。今すぐ出ていけ。これ以上リーズを傷つけるなら、俺が黙っていないぞ」
黙って様子を見ていたベルも、散々私がコケにされていることに堪忍袋の緒が切れたのか、私たちの間に入りナタリーに凄みを利かせた。
「こ、こんな犬小屋にもう用はありませんわ! ドロシア、早く王都へ帰りましょう」
「はい、ナタリー様!」
「それと、私たちがここへ来たことは誰にも言わないように! レオン様にちくったら、許しませんからね!」
精一杯の強がりを見せたものの、ふたりは小鹿のような足取りで家から出ていった。
「は、発情うさぎってなんですか! 勘違いしているのはナタリー様です! 私はレオン様を無理やり村に呼んでいませんし、はしたないことなど一切していません!」
泥棒の次は発情うさぎときた。言われたい放題されて、私もついカチンときて言い返す。
「あんな高貴なお方を、こんなボロ臭い犬小屋みたいな場所に連れ込んだこと自体がはしたないですわ!」
私がお母さんやベルと一緒に過ごしてきたこの家を、ボロ臭い犬小屋ですって?
「そんな場所に好き好んで自ら足を踏み入れていたのはレオン様です! 言っておきますけど、ナタリー様は大きな勘違いをされていますよ。追いかけまわしていたのは私でなく、レオン様のほうですから!」
紛れもない真実を、はっきりとナタリーに教えてあげた。いきなりやって来て好き勝手ひっかきまわして、冤罪をなすりつけられるなどたまったもんじゃない。同じ大型肉食動物でも、ライオンと違って豹や熊は怖くない。だから私も強気に出られたというわけだ。
「なっ! うさぎごときが、ナタリー様になんて口をきくの! あなたが邪魔をしなければ、ナタリー様がレオン様の婚約者で決定だったのよ!」
ドロシアが横やりを入れてくる。ナタリーが婚約者? そっちの事情は知らないが、私とてふたりの邪魔をしたつもりはない。
「私の家はラファルグ家と昔から交流ある公爵家ですの。レオン様とも、幼いころから交流がありましたわ」
「昔、毛が黒いことで引っ込み思案になっていたレオン様を救ったのも、ナタリー様がおそばで支え続けたからなのですわよ!」
引っ込み思案? あのレオン様が? 想像がつかない。
「……国王様や王妃様からも、レオン様の婚約者は私だと言われていたのに――待てど暮らせど私のもとにレオン様はやってこない。あなたのせいですわ! レオン様がうさぎなんて弱小動物を相手にするなど、冗談甚だしい! 今すぐレオン様を解放なさい!」
……大体把握してきた。レオン様の婚約者はナタリーだと、王都や町ではずっと囁かれていたのだろう。本人もすっかりその気でいたのに、肝心のレオン様はまるでその素振りがない。そんな中失踪され、私の話を耳にした。すべてを私のせいにしたくなる気持ちも、わからなくはない。
「……ナタリー様のお気持ちはお察ししますが、レオン様がどこにいるのかは私も知りません。今はジェイドさんの言う通り、信じて待ってみるのがいちばんなのではないでしょうか」
面倒なことになりそうだから、これ以上ナタリーを刺激するような発言は控えよう。
「偉そうに。これだけは言っておきますわ。仮にレオン様があなたを追いかけまわしているのが事実だとしても、それは結婚前に物珍しいものを見つけて、最後に遊んであげているだけ。……おもちゃのようなものですわ」
立派な牙を見せつけながら、ナタリーは私を蔑むように笑った。
「もう用は済んだろう。今すぐ出ていけ。これ以上リーズを傷つけるなら、俺が黙っていないぞ」
黙って様子を見ていたベルも、散々私がコケにされていることに堪忍袋の緒が切れたのか、私たちの間に入りナタリーに凄みを利かせた。
「こ、こんな犬小屋にもう用はありませんわ! ドロシア、早く王都へ帰りましょう」
「はい、ナタリー様!」
「それと、私たちがここへ来たことは誰にも言わないように! レオン様にちくったら、許しませんからね!」
精一杯の強がりを見せたものの、ふたりは小鹿のような足取りで家から出ていった。