義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~

 それから、一階で待っていた父と母、帰ってきた雅臣さんも交えて皆で話をした。

 どうやら父は二年ほど前から私に会いたいと連絡を取ってきて、母も悩んでいたらしい。筧さんの収賄事件がニュースになってから、私にも真実を話したほうがいいのかもしれないと思い始めたのだそう。

 雅臣さんももちろん私の事情を知っていて、そっとしておいてくれた。聖さんと交際の報告をしたとき、反対も驚きもしなかったのは昔から仲がよかったことを知っていたからなんだろう。

 以前、父がここに来たのは、友人の雅臣さんと母が再婚したことを純粋に祝いたかったからだと言っていた。近くにやってきたついでに家に寄ろうとしたのだが、あれこれ考えてやめたのだという。

 そして今日は、母が私にすべて打ち明けると決めたと知り、いてもたってもいられなくて来てしまったんだとか。せっかちな父に、母は終始呆れ顔だった。


『家の前でうろうろしてるから、不審者に間違われると思って家に上げたの。早く六花に会いたかったのはわかるけど、突然来られちゃ困るわよ。案の定、記者もつけてきたみたいだし』
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