別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「医師として、もちろん最善を尽くします。でも、私は医師である前に彼女のパートナーになりたい。どうか、結婚を認めていただけないでしょうか?」


陸人さんはどこか歯切れが悪かった父に、もう一度頭を下げた。


「この結婚は……。いや……天沢さん、あなたは一生心春と添い遂げる覚悟があるんですか?」


まさか、父が陸人さんを疑うような発言をするとは思っておらず、ハッとして陸人さんに視線を送る。

問いかけられた陸人さんは凛々しい顔を崩すことなく、大きくうなずいた。


「もちろんです。私の人生をかけて、心春さんを必ず幸せにします」


その力強い言葉がどれだけうれしかったか。

戸惑いながら陸人さんと付き合い始めたけれど、絵麻に背中を押されたあの日、彼に電話をかけてよかった。


「心春、あなた……思い出――」
「お母さん」


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