別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
三つ年上の彼は、大手スポーツ用品メーカー『レーブダッシュ』の営業統括部に勤めている。

自称〝やり手〟らしいが、幼い頃、同級生にからかわれるたびに言い返してくれた頼れる存在なので、あながち嘘でもない気がする。

ただ、ちょっとぶっきらぼうなところがあるのが玉に瑕だ。

ひとり暮らしをしている兄にも結婚を考えている女性がいて、実家にはなかなか顔を出さないのに、珍しく帰ってきていたようだ。


「謙一、いきなり失礼だ」

「すみません。心春が結婚相手を連れてくるというので覗きに来たんですけど、覚悟がしっかりある方のようでよかった。そうでなければ結婚なんて考えないでしょうから」


それは、普通は大きな傷を背負う私との結婚なんて考えないという意味?

よくわからないものの、兄はこの結婚に反対ではなさそうだ。


「一生、お守りします」


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