別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「やった」


重さんのぶり大根はよく味が染みていて箸が進む。

容器におかずを詰めた恵子さんが店頭に出てきて並べ始めたので私も手伝った。


「心春ちゃんは働き者だね。式はいつになったの?」

「まだ会場を迷ってて……。とりあえず入籍は来月のよき日にと思ってます」


式場のパンフレットを集めたものの、私と陸人さんの休みがなかなか合わず、見学にあまり行けていない。

だから先に入籍するつもりだ。


「そう。花嫁姿、楽しみね」
「ありがとうございます」


私もドレス選びに胸を弾ませているのだ。


「さて、そろそろお客さん来るよ。店、開けてくれる?」
「わかりました」


恵子さんに指示されて、【営業中】の札を下げた。


その日も忙しく働いた。

陸人さんと出会い、彼が私のすべてを認めてくれたおかげで、以前より心に余裕ができて笑顔も増えているのではないかと思う。

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