別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
お昼どきは店内がお客さんであふれる。
恵子さんの手も借りながら、会計をこなしていった。


一旦客足が途絶える午後三時。

ショートカットの似合う女性が入ってきた。

白いブラウスに紺のパンツ。
そしてヒールをカツカツ言わせて歩く彼女からはキャリアウーマンの雰囲気が漂っている。

おそらく初来店のお客さんだ。


「いらっしゃいませ」


声をかけると、彼女は並んだ弁当に目をやり、「おすすめはどれかしら?」と聞いてきた。


「そうですね。どれもおいしいのですが、今日は豚バラしそロール焼きがよく出ています。添えられているだし巻きたまごも大人気で、こちらをメインにしただし巻きたまご弁当もおすすめです」


重さんの料理はどれも絶品で、ひとつに絞れない。
胸を張ってすすめられるものばかりで、好みの問題だ。


「そう。それじゃあ、豚バラしそロール焼き弁当をひとついただくわ」
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