別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
だから、どれだけ疲れていてもこれだけは欠かせない。


「なに読もうか?」
「こぐまさん!」
「また?」


よほど祐くんとの時間が楽しかったんだろうなと思った私は、ボロボロになったこぐまさんのはちみつケーキを手にして読み始めた。



急に冷え込みがきつくなってきた十二月。
その日は朝からはらはらと雪が舞い、冷えた手に息を吹きかけて温めた。

例年になく早い初雪に私はため息をついたが、凛は大はしゃぎ。

保育園に向かう道すがらずっと空を眺めているものだから、何度も転びそうになり、つないでいる手を引っ張った。


「凛。下にも気をつけて」
「はーい」


元気な返事はするものの、彼女の目は雪に釘づけだ。

これは無理そうだな……。

私は苦笑しながら、凛の手をしっかりと握った。

保育園に着くと、雪に喜んでいるのは凛だけではなかった。
< 133 / 335 >

この作品をシェア

pagetop