別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
一旦作業の手を止めて事務所に行くと、「保育園から電話だよ。凛ちゃんだっけ、ケガしたみたいで」と伝えられ、慌てふためいて受話器を耳に当てた。


「もしもし、本宮です」
『ひまわり組の田中(たなか)です。申し訳ありません。凛ちゃん、さっき園庭で遊んでいて、顔にケガをしてしまいました。園長が近くの外科に連れていっていますので、向かえませんか?』


顔にケガ?

ショックで倒れそうになるも踏ん張り、「わかりました」と答える。

どうやら先生に隠れて木登りをしていた男の子が雪で手を滑らせて落ちたところに凛がいたようだ。

転んだ凛は木の幹に激しくぶつかり、額を切ってしまったのだとか。

チーフから早退の許可を得た私は、病院へと走った。


凛が運び込まれたのは、保育園の近所の小さな外科のクリニックだ。


「本宮です!」


駆け込み受付で名乗ると、「処置中です」と奥に案内される。


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