別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
すがるように尋ねると、治療の手を止めた先生はしばらく考え込んだ。


「少し遠いのですが、こうした傷の治療で有名なドクターがいらっしゃいます。そこに行けば、きれいに治していただけるんじゃないかと」
「お願いします!」


藁にもすがりたい気持ちで食いつくと、先生はうなずいた。


「激しくぶつけたみたいなので、念のため頭部のCTも撮ったほうがいいかもしれません。応急処置だけしますから、今からその病院に向かえますか?」
「もちろんです」


私はそれからハラハラしながら処置を見守った。

ほとんど血は止まったが、包帯でぐるぐる巻きにされた凛はよほど怖かったのか、おびえた表情で私にしがみついたまま離れない。


「凛。大丈夫だからね。違う病院で診てもらおうね」


待合室で待っていると、再び診察室に呼ばれる。


< 137 / 335 >

この作品をシェア

pagetop