別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
すべての検査が終わり診断を待っている間、凛は泣き疲れたのか私の腕の中で眠っていた。

小さな額の大きなガーゼが痛々しくて、顔がゆがむ。

もし私のように傷痕が腫れ上がったら……。

凛もつらい人生を歩まなくてはならないのだろうかと絶望的な気持ちになる。

でも、『医学は進歩していますから安心してください』という陸人さんの言葉が頭に浮かび、泣かずに耐えられた。
彼を信じたい。


「本宮さん、診察室にお入りください」
「はい」


看護師に呼ばれ、緊張しながら診察室へと足を踏み入れた。

思えば、医師としての陸人さんを見たのは初めてだ。

彼はモニターに表示されたCTの映像を真剣にチェックしていた。

しばらくして私に視線を移したあと、口を開く。


「脳は異常なさそうです。ただ、脳出血などはじわじわ進行することがありますので、様子がおかしいときはすぐに来院を」
「わかりました」


< 142 / 335 >

この作品をシェア

pagetop