別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「うん、読む!」


とにかく絵本が好きな凛は、もう行く気満々だ。


「先生、当直だったのでは?お帰りになってお休みください」

「慣れてるから大丈夫。次の勤務は明日の朝からだし、凛ちゃんと遊んだらたっぷり寝ます。それより、お母さんが休んだほうがいい。育児に休日はないでしょう?」


たしかに、働きながらの育児は想像を絶する大変さだ。

凛の相手も仕事も家事もとなると、休憩時間なんて一分たりともないし、疲れても睡眠時間を十分に確保できないのはあたり前。

熱を出した凛が痙攣(けいれん)を起こし、死んでしまうのではないかと真っ青になったこともあった。

ケロイド体質だと気づいてからは、どれだけ過保護だと言われようがケガをさせまいといつも目を光らせていた。

ようやく言い聞かせればわかる年頃にはなってきたものの、こうして目の届かないところで傷を負ってしまった。

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