別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
そういえば、仕事の忙しさを言い訳に、弁当を作って凛とお出かけなんて久しくしていないなと反省した。


陸人さんは勝手知ったる場所のようで、飲食が許されている部屋へと誘導してくれた。

丸いテーブルに弁当を置き、三人で「いただきます」と手を合わせる。
陸人さんはだし巻きたまご弁当を買ったようだ。


「凛ちゃん、たまご食べる?」
「いいの?」


陸人さんは凛を甘やかす。


「もちろん」
「凛のおいなりさんあげる!」


そもそも凛はあまり人見知りもせずおしゃべりな子なのだが、いつも以上に笑顔が弾けている。

すっかり陸人さんに心を許しているようだ。


「ママと同じ味だ」


だし巻きたまごをかじった凛が漏らす。

久々の重さんの味だと思うと感慨深い。
私もサバ味噌を口に入れた。


「お母さん、料理上手でしょ?」
「うん。すごーい上手。ママ、コロッケも食べたいよー」


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