別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
弁当とは別に買ってきてくれたコロッケをせがむ凛にそれを渡すと、陸人さんがなんとも言えない柔らかな表情で彼女を見つめていた。
きっと自分の子だと勘づいているだろうに、少しも戸惑う様子がないのに救われる。
「これもママと同じ」
目を弓なりに細めて食べ進む凛を見てうれしくなる。
私、重さんの味を再現できているんだ。
食彩亭から離れてもう四年。
でも、重さんに教えてもらった味は忘れたくなくて、時間に余裕があるときにはできる限り丁寧な下ごしらえは心がけてきた。
「奥でおじちゃんが作ってるんだよ」
「すごーい。凛のパパも作れるかな?」
思いがけず凛が〝パパ〟と口にするので顔が引きつった。
保育園でほかのクラスメイトにはパパがいると気づいた頃、『凛のパパはどこ?』と聞かれたことがあった。
私はとっさに『今は会えないけど、凛のことは大好きだよ』と答えてしまった。
きっと自分の子だと勘づいているだろうに、少しも戸惑う様子がないのに救われる。
「これもママと同じ」
目を弓なりに細めて食べ進む凛を見てうれしくなる。
私、重さんの味を再現できているんだ。
食彩亭から離れてもう四年。
でも、重さんに教えてもらった味は忘れたくなくて、時間に余裕があるときにはできる限り丁寧な下ごしらえは心がけてきた。
「奥でおじちゃんが作ってるんだよ」
「すごーい。凛のパパも作れるかな?」
思いがけず凛が〝パパ〟と口にするので顔が引きつった。
保育園でほかのクラスメイトにはパパがいると気づいた頃、『凛のパパはどこ?』と聞かれたことがあった。
私はとっさに『今は会えないけど、凛のことは大好きだよ』と答えてしまった。