別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
それで納得したのかパパの話をしなくなったが、やはり心の中では気になっているのかもしれない。


「どうかな。パパは料理は苦手かもなぁ」


なにも言えないでいると、陸人さんが代わりに答えた。

おそらく彼自身のことなのだろう。
やっぱり、凛が自分の子だと確信しているに違いない。



食事が済むと、凛は絵本に一直線。
本棚から絵本を取り出し、イスに座って読み始めた。


「心春、少しいい?」


凛のそばに行こうとしたが、陸人さんに引き止められてしまった。

さすがに拒否はできずうなずくと、凛から少し離れたイスに促される。

私の隣に腰を下ろした彼は、凛を見つめたまま口を開いた。


「凛ちゃんは、俺の子、だよね」
「……いえ」


彼がすでに確信しているのはわかっているけれど、肯定するわけにはいかない。

子供までいると知ったら、責任感の強い彼はますます離れまいとするだろう。

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