別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
凛を生んでからはズボンばかりで、このスカートは陸人さんとのデートで購入した思い出の品だ。

だから戸惑ったものの、凛にグズられて結局は折れた。

約束の十一時少し前に、陸人さんが車で現れた。
仕事にはならなかったようだ。


「凛ちゃん、おはよ。今日もかわいいね」


セールで買った服しか着せてあげられない私は決まりが悪いが、ご機嫌な凛は一回転するサービスまでしている。

黒のダウンコートを羽織った陸人さんは、その様子をうれしそうに見ていた。


「おはよう。レストランを予約しようと思ったんだけど、こんな時期だから取れなくて。よければ、俺の家に来ない?」


予想だにしなかった提案に、目をぱちくりする。


「行く!」


凛ははしゃいでいるものの、さすがにそれは……。


「いえっ」
「実はもう料理やケーキを用意してあるんだ。クリスマス会したいと思って」


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