別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
で治療をしたもののさほどよくならず、手術も検討したが体質的に新たなケロイドを作ってしまう恐れもあり断念。

ケガは治ったのだからと、小学校でのプールの授業にあたり前の顔をして水着で出席した。

でも、私の傷を見た友達は怖がって離れていき、そのうち孤立してしまった。

私が人とかかわるのが苦手になったのはそれからだ。


昨日まで仲がよかった友人が、傷の存在を知ると陰に隠れて悪口を言い始める。

そんなことのくり返しだったので、人付き合いが嫌になってしまったのだ。

それからはひたすら目立たないように気をつけ、決して傷のことは話さず過ごしてきた。


傷はふさがっているとはいえ今でもかゆみはあるし、天候が悪いときや体調がよくないときには痛む。

重さん夫婦にも当初傷については伏せていたのだが、恋人の気配がない私を心配して恵子さんが持ってきてくれた見合い話を断るために、一年ほど前に打ち明けた。

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