別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
あれこれ考えていると、視界がにじんできてしまった。

すると、陸人さんは私をじっと見つめて小さくうなずく。

それが、『もう頑張らなくていいんだよ』と言われているようで涙がこぼれそうになり、やっとのことでこらえた。



料理はあっという間になくなり、幸せなひとときを過ごした。

私がキッチンで後片付けをしている間、陸人さんは凛に絵本を読んでくれている。

ローボードの絵本は凛のために用意してくれたようで、凛はそれも熱心に手に取っていた。


「先生もこぐまさん!」
「そう。子供の頃から大好きで、大事にしてるんだ」
「これ読んでー」


新しい絵本がたくさんあるのに、凛はまたこぐまさんのはちみつケーキをせがんでいる。

陸人さんは嫌な顔ひとつせず、あぐらをかいた自分の膝にのせて読み始めた。


それから数冊。
続けざまに読ませてしまい申し訳ないと思っていると、陸人さんの声が途中でやんだ。
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