別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
視線を送ると、彼にもたれかかっている凛が、寝息を立てている。
張り切って早起きしたので眠かったようだ。
「すみません」
「しーっ」
慌てて駆け寄ると、彼は口の前に人差し指を立てて私を制し、凛を抱き上げてリビングを出ていく。
ついていくと、寝室に運んでベッドに寝かせてくれた。
「かわいい顔して寝てる」
「ご迷惑ばかり――」
その先を言えなかったのは、指で口を押さえられたからだ。
「迷惑なんてひとつもない。すごく楽しいんだ。少し寝かせてあげよう。コーヒー飲まない?」
ふたりきりなのは気まずいけれど、私はうなずいた。
コーヒー豆もカップもあの頃と同じ場所にあり、懐かしさを覚える。
陸人さんと一緒にコーヒーを淹れたあと、促されてソファに並んで座った。
「心春が淹れたコーヒーがまた飲めるなんて」
「い、いえっ……」