別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
彼は熱く語るが、本当にそうだろうか。
ずっと私のために生きてきたから、そう思い込んでいるだけではないの?

わからない。
私はどうしたらいい?


吉野さんに『陸人さんがあなたと結婚するとしたら、贖罪の気持ちだけ』と言われたあの瞬間の苦しみがよみがえってきて顔が険しくなる。

きっとその通りだと納得してしまったのでなおさらだ。


「陸人さんは、私を好きだと錯覚しているだけではないですか? 自分のせいで私が傷を負ったと思っているから、誰とも恋愛できなくなった私を好きにならなければと思ったのでは? それって、ただの同情ですよ? 愛なんかじゃない」


思いきって切り込むと、彼は苦しげな顔をして頭を抱えた。


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