別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「俺から離れるために辞めたんだよな。心春がいなくなってから、重さんたちすごく心配してて。俺がふがいないせいで心春は消えたんだと謝りに行ったんだけど……」


まさか、そんなことになっていたとは。


「陸人さんのせいじゃありません」

「いや、心春を幸せにすると約束したのにできなかったんだから当然だ。でも俺は心春を愛していて、いつまでも待つつもりだと話した。そうしたら、いつか必ずふたりで戻ってこいと。心春の料理が食べられないんだから、せめてうちの弁当を食べて栄養を取りなさいと食彩亭に通うのも許してくれた」

「重さんが……?」


重さんの心遣いが心に沁(し)みる。

突然退職を申し出たときも、理由も聞かずに送り出してくれた。
『いつでも待ってるから帰っておいで』と優しい言葉もかけてもらった。

今でも心配してくれていると思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


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