別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「吉野は幼い頃からよく知った仲だ。ただ、特に仲がよかったというわけじゃなくて、親同士が顔を合わせるときに一緒に遊んでたというだけ。それが、同じ病院で働くようになって、付き合えだの結婚しろだのという話が持ち上がるようになった。俺の心の中に心春がいることに、父や母が気づいてたからなんだろうけど……」


そうか。彼の両親はやはり私との関係を絶ってほしかったんだ。

でも、そう考えるのも理解できる。
大切な息子が一生罪の意識にさいなまれながら生きていくなんてつらいに決まっているから。


「だけど俺は、付き合えないとはっきり伝えてある。心春以外の女と関係を持ちたいとは思わない」


彼がきっぱり言うのを聞いて、ひどく安心した。


「私……。あの……」


思いきって口を開くと、うなずきながら真剣に耳を傾けてくれる。

でも緊張しすぎて続かなくなってしまった。


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