別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「心春。なんでも言って。俺は心春の全部を受け止めたい」


彼は私の肩に手を置き、真摯な視線を送ってくる。

もう、甘えてしまいたい。
大好きな陸人さんと、同じ未来を歩きたい。


「わ、私……。陸人さんが……好き。凛と一緒に三人で生きて――」


その先を言えなかったのは、彼に抱きしめられたからだ。


「俺も。俺も心春が好きだ。凛ちゃんをここまで大きくしてくれてありがとう。ふたりとも俺が必ず幸せにする。だから、もう離れないで」

「……はい」


きっと私たちが乗り越えなければならないハードルはまだたくさんある。

けれど、彼の手を離さずついていけば、凛も私も幸せになれる。
そう確信した。


陸人さんは背中に回した手の力を緩めて、私の顔を覗き込んでくる。

そして涙で濡れた頬を手で拭ってくれた。


「初恋が実るなんて、俺は最高の幸せ者だ」
「そんな……」


< 226 / 335 >

この作品をシェア

pagetop