別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
私だって、まさか幼い頃の約束が叶うなんて信じられない。

しかも、私はずっと忘れていたというのに、想い続けてもらえていたなんて感無量だ。


「ずっと大切にする」


そうささやいた彼は、私の頬を両手で包み込み熱い唇を重ねた。

久しぶりの情熱的なキスは、私の心もとろとろに溶かしていく。


「よかった。心春をあきらめないで、本当に」


切なげに吐き出す彼は、私の頭を抱えるようにして強く抱きしめてくる。

私も彼にしがみつき、幸せの余韻に浸った。


それから私たちは、抱き合ったまま言葉を交わさなかった。

いや、いろんな感情があふれてきて、とても言葉では言い表せなかったのだ。

ただこうして触れているだけで、心が満たされた。


しばらくして離れると、陸人さんが妙に照れくさそうな顔をしているので、私も目が泳いでしまう。

まるで初めて想いが通じたときのようで、なんとなくきまりが悪いのだ。


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