別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
またこうして笑い合いながら話ができるのがうれしい。


「心春。前にも言ったけど、ここに住まないか?」


絵本を手にした陸人さんが問いかけてくる。


「凛がどう思うか……」

「そうだよな。俺たちの気持ちより凛ちゃんだ。急に父親だと言っても混乱させるだけだ。もっと仲良くなってから、いつか自然な形で父親になれれば……。ただ、一緒に住めば協力して育児ができる。家賃もいらなくなるし」


家賃が浮くのはありがたい。
今の仕事ではギリギリの生活だからだ。

凛が大きくなれば、もっとお金はかかるだろうし。


「もちろん、今のままでも生活費は渡す」
「いえっ、そんな」
「俺は凛ちゃんの父親だよ。当然だ。だけど、一緒に暮らせたら幸せだな」


彼の気持ちがうれしい。
なにも告げずに凛を生んだのに、こんなに歓迎してくれる。


「そう、ですね……」
「凛ちゃんに話してみてもいいかな。絶対に無理強いはしないから」
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