別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「わかりました」


陸人さんになついているように見える凛だけど、一緒に生活となるとどう感じるかはわからない。

彼女にとって陸人さんは、ケガを治療してくれた優しい先生であって、いわば赤の他人なのだ。


片づけ終わりコーヒーを淹れ直していると、寝室から凛の声がする。
「俺が」と陸人さんが迎えに行ってくれた。


彼に抱かれてリビングに戻ってきた凛は、私を見ると「ママ!」と笑みを浮かべる。


「ただいま。たくさん遊んでもらったのね」
「うん。先生滑り台下手くそなの。止まっちゃうんだよ」


陸人さんから凛を受け取ると、目を輝かせて報告を始めた。

よほど楽しかったのだろう。


「先生、お尻が大きいからはまっちゃうんだよ」


凛の頭を撫でる陸人さんの視線が優しくて、私も自然と笑顔になる。


「おもちゃもいっぱい買ってもらって、ありがとうした?」
「した!」


凛は答えながら私の首にしがみついてくる。
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