別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
園から帰ったあとはいつも、しばらくくっついて離れないのだ。
やっぱり寂しいのかもしれない。
「凛の包丁あるの」
「見たよ。よかったね」
キッチンセットについていたおもちゃの包丁のことだ。
「猫の手教えてあげたんだよ」
凛は振り返って陸人さんを見る。
「凛ちゃん、料理が上手になりそうだね。いつか先生にも食べさせてほしいな」
「いいよ!」
「凛。今日はもう遅いから帰りましょう」
興奮気味の凛に声をかけると、たちまちぷーっと頬を膨らませる。
「凛、まだ遊んでるの」
「でもね、先生はお仕事忙しいからねんねしないと大変なの」
説得を始めたものの、彼女は険しい顔だ。
「凛ちゃん。もし凛ちゃんがよければだけど……」
陸人さんは凛に微笑みかけてから話し始める。
「お母さんと一緒に、ここに住まない?」
「先生のおうち?」