別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「あぁ。心春を守るためになにかできたのがうれしくて」

「陸人さん……」

「それに、心春を心配するご両親の優しさに触れられた。俺、もう一度お願いしてきたんだ。今度こそ心春を幸せにする。この命に替えても守り通す。だから、結婚させてほしいって。……勝手にごめん。結婚とまでは言うつもりはなかったんだけど、気がつけば口走ってた」


兄のハンカチを握りしめ、泣くのを必死にこらえる。
もちろん、感激の涙だ。


凛の気持ちとか、吉野さんとの関係とか、彼の両親の反対とか……まだクリアにしなければならない問題はたくさんあるけれど、やっぱり私は彼についていきたい。


『陸人以上に心春を愛せる男はいない』という兄の言葉はきっと正しい。

そして私も、世界で一番陸人さんを好きな自信がある。


「うれしい」


私がそう漏らすと、彼は目を見開く。


「ほんと、に?」
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