別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「そっか。でも……」

「私も陸人さんと一緒に生きていきたいんです。ちゃんと叱られて、いちから始めたい。恥ずかしいから叱られるところは見ないでください」


そんなふうに伝えると、彼は口の端を上げる。


「ありがとう、心春。もうこれ以上惚れさせるなよ」


彼の言葉が照れくさくて、目が泳いでしまった。


「凛ちゃんのお迎えは何時?」

「五時半くらいまでに行けば大丈夫です」

「それじゃあ、俺のマンションに行っていい? お迎えの前に、ふたりで食彩亭にも挨拶に行こう。重さん、心春に会えるのすごく楽しみにしてる」


重さんたちに会えるんだ。
心配かけたことをきちんと謝らなければ。


「はい。陸人さん、お仕事は?」
「夕方からオンコールで、明日は朝から」


オンコールとは病院から連絡があったらすぐに駆けつけられるように待機することだ。


「忙しいですね」

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