別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「野上はいいほうだよ。救急はどうしても勤務が過酷になるから、医者の数もそれなりに確保してもらってる。俺たちも休息を取らないと判断力が鈍るから」

「それなのに、私たちが転がり込んだら……」


私はまだしも、凛はまだ陸人さんの仕事の大変さを理解できないだろう。


「バカだな。心春や凛ちゃんがいてくれたら、すごく癒されるんだ。病院ではつらい場面にも立ち会わないといけないから、体より心が疲れるときもあるんだよ。そんなとき、ふたりにいてもらいたい。それに、凛ちゃんがどんなに騒いでも寝るときは寝させてもらうから。救急医の特技なんだ、それ」


彼がおどけて言うので頬が緩む。


「凛も寝つきが悪いくせに、朝はどれだけつついても起きないんですよね。陸人さんに似たのかな?」
「そうかも」


これから凛も、陸人さんの愛をいっぱい感じながら生きていってほしい。



マンションに到着すると、昼食の準備を始めた。
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